野球選手 文章力を磨く 四国アイランドリーグ

 野球の四国アイランドリーグ(IL)の選手を対象に、新聞を教材として「読む力」「書く力」を磨く研修が始まった。読売新聞が社会人向けに展開している「新聞のちから」事業を活用しており、記事を題材にした通信添削などを通じて、人材育成に結び付けていく。

 

 ILは、スポーツマンシップを軸にした選手の人間教育に重きを置いており、目標にしている日本野球機構(NPB)の球団入りの成否にかかわらず、社会で幅広く活躍できる人づくりを目指している。今回の取り組みは、スポーツ選手のマネジメント会社「スポーツビズ」(東京)が、選手のキャリア支援事業「ギャザー」のモデルとして企画。趣旨に賛同した読売新聞社が「新聞のちから」のノウハウを提供し、協力した。

 

 今年はILの4チームのうち、高知ファイティンドッグスと香川オリーブナイガーズの2チームが参加。計10選手を対象に3か月間のプログラムがスタートした。7月9日に、最初の研修を高知、高松両市で実施。読売新聞東京本社の岡部匡志・教育ネットワーク事務局部長が講師を務め、高松市で行われた講座には、体調不良の2選手を除く香川の3選手が参加した。岡部部長は「日々、大量に流れている情報の中から、重要なものを選別して、ニュースとして届けるのが新聞。毎日、目を通すことで、社会の中で生きていく上で必要な知識を身につけることができる」と新聞を読むことの効用を訴えた。

 

 その上で、3選手は、「記者になったつもりで、自分のことを書いてみよう」と岡部部長から促され、「今の私」「5年後の私」「20年後の私」についてメモをまとめた。さらに、メモを元にしてお互いに討論して考えを深め、約400字の文章にまとめあげた。

 

 

 「将来は学生野球の指導者として球界に貢献したい」と書いた三木田龍元選手(24)は「5年後、20年後のことは考えたことがなかったので、いい機会になった」と感想を述べた。研修を見学したILの坂口裕昭理事長は「社会の出来事に関心を持つことは、地域に貢献する野球選手として、欠かすことができない。将来のキャリア形成にも確実に役立つ。研修で視野を広げてもらった」と話していた。選手たちは、今後3か月をかけて、記事を題材にした作文などを書き、通信添削を受けて、書く力や読む力を高めていく。研修をコーディネートしている「スポーツビズ」の田中和弘取締役は「新聞の活用は、効果が高いことを実感した。スポーツ選手のキャリア形成は、個々の選手にとっても、競技団体にとっても重要な課題であり、他のスポーツ分野でも同様の取り組みを提案していきたい」と話していた。

 

>>「ギャザー」ウェブサイトにも記事を掲載しています

 

【実施期間】3か月(2018年7月~9月)/受講生10名

(2018年7月26日 17:34)
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