やあ、こんにちは。新聞活用学習・NIEのナビゲーター、ヤク先生だよ。今日は、はがきサイズの新聞作りで読書の魅力を伝えている先生の取り組みを紹介するね。この取り組みで、子供たちの本への関心が高まり、さらに言葉の力もつくんだって。
ヤクは、ユーラシア大陸の高地に生息する、ウシの仲間。NIEを通して、これからの社会を生き抜く上で"ヤク"立つ力が子どもたちにつくよう、ヤク先生が応援していきます。
中学生が作った「はがき新聞」の例(クリックで拡大) |
●吹上中・川里中(埼玉県鴻巣市)
「はがき新聞」作りを行っているのは、埼玉県鴻巣市立吹上中と川里中。10月下旬のある日、この2校にお邪魔してきたよ。吹上中では、1年生約30人が、小谷野弘子先生の国語の授業で、おすすめの1冊を紹介する「はがき新聞」作りに取り組んでいたよ。
見本を見せながら、はがき新聞の作り方を説明する小谷野先生(吹上中で) |
まず新聞の枠を引く
「自分の言葉で感動を伝えていますか」。まず、小谷野先生が、それぞれの生徒が前回の授業で書いた読書紹介文を返却しながら、紹介文の書き方をおさらい。次に、読売新聞など実際の新聞を例に、「外枠」「題字」「3段に分ける仕切り」の順に、「はがき新聞」の枠作りを説明し出したよ。
吹上中で生徒に配られた「はがき新聞」の作り方用紙(クリックで拡大) |
感動のポイントを見出しに
「見出し用の枠も忘れずに2か所空けておいて」と小谷野先生が呼びかけ、生徒たちが制作をスタート。小谷野先生は教室内を巡回しながら、「自分の体験を元に書いて」「見出しは人をひきつけるようなものを考えて」「人にすすめるポイントを伝えましょう」などと確認。生徒たちは真剣な表情で紹介文をはがきに下書きし、頭を悩ませながら本をイメージさせるイラストなどを描いていたよ。
「文字は大きく」。注意点が書かれた黒板 |
友達はどんな本を紹介してるの?
また、見本の「本のトビラ新聞」「ピカ1BOOK新聞」を例に、小谷野先生が「題字も工夫して書いてみて」と呼びかけ、「題字は大事」などとギャグを飛ばした。生徒たちは本の名前に加えて著者、発行所なども書き込んで50分の授業で7割方作り上げ、仕上げは宿題として持ち帰ったよ。授業後、生徒からは「はがきの大きさで新聞を作るというのは新鮮で面白い」「友達が紹介してくれる本にどんなものがあるか知るのは楽しい」などと感想があがっていたよ。
用紙に線を引いておすすめ本の魅力を下書きする生徒(吹上中で) |
家族や地域の学校理解につながる
「この新聞作りで、本を読むようになった生徒が増え、言葉の力も上がっている」と小谷野先生。このほか、気になる漢字について調べた「漢字新聞」や、お世話になった人や小学校時代の先生に送る「お礼状」として「はがき新聞」が作られていて、このはがきを家族や地域の人などに送ることで、「こんな中学校生活を送っているんだ」と、学校生活を理解してもらうのに役立っているそうだよ。
お世話になった人に送るお礼状としての「はがき新聞」 |
特別支援学級でも活躍
「はがき新聞」は、特別支援学級でも大活躍で、川里中では、「思い出を『はがき新聞』に残そう」というテーマで、生徒たちが真剣な表情で作品作りに挑んでいた。生徒たちは「はがき新聞」作りの腕がぐんぐん上達していて、この日も、素直な見出しやあざやかな色使いなど、魅力的な新聞が出来上がっていて、先生や見学者から「分かりやすい」「美しい」などと感心する声があがっていたよ。
真剣に「はがき新聞」作りに取り組む生徒たち(川里中で) |
小谷野弘子先生
「はがき新聞」にまとめることで、思考力・表現力などが磨かれます。スタンプで気持ちを表すことで済ますSNS世代の子たちには、とても大切な授業だと考えています。絵を描くので小学校低学年から取り組めますよ。
「はがき新聞」で人に感動を伝えることで、思考力・判断力・表現力が養われるんだって。今後、ますます広がるといいね。
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