自粛の過ごし方【新型コロナ 学生リポート】(8)

留学から帰国して2週間自宅待機となってしまった友人とのやりとり。大変な時こそ、支えあっていきたいと思う

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、政府が小中高の一斉休校を要請してから、1か月が過ぎました。終息の見通しはいまだ見えず、私たち大学生にもサークル活動の自粛や、始業の延期など、様々な影響が続いています。キャンパス・スコープでは、3月16〜19日のリポートに続いて、いま、大学生の生活に起きていることを伝えていきます。

 

平日の外食くらいなら...

 

 「両親は毎日仕事。私も毎日誰かと遊んでいる。外出は『自粛』だから、出かける人は出かけるよね」。ある学生は、このように話しました。別の学生も、「友人のインスタを見れば、土日に飲み会をしていた学生もいる。じゃあ、自分も『平日の外食くらいならいいか』ってなる」と話します。私達大学生も含む若者世代の新型コロナウイルスの感染が伝えられる中、「自粛疲れ」と言われる雰囲気が少しずつ広がっていることは否定できません。

 

感染広げるわけには

 

 緊急事態宣言が出され、緊張が広がる中、ニュースで伝えられるのは、「自粛」に従わず、ウイルスを拡散させている若者、というイメージが多いように感じます。本当にそうなのでしょうか。4月から実家を出て一人暮らしをする予定だったメンバーは、3月末の外出自粛を受けて、家電量販店に行く予定を見合わせました。「新生活の開始が遅れそう。授業もいつ始まるかわからないし」と、うんざりした様子で話します。富山県出身の大学生は「地元に帰りたいけど、自分がウイルスを持ち込むかもしれない、と思うと、東京にいるしかない。でも、今のうちに帰省するべきか、とも思う」と不安を口にします。日本が、世界が、先を見通せない中、しきりに呼び掛けられる「自粛」。私たち自身も、どうすればいいかわからない、というのが実情です。それでも、多くの大学生は、なんとなく自粛に従いつつ、何もなければ家にいる、という日々を過ごしてきたと思います。

 

「つながり」求めて

 

 首都圏で不要不急の外出自粛が呼びかけられた3月28、29日から、大学生がどのように過ごしているかを発信しよう、私たちキャンパス・スコープのメンバーは、ツイッターを使ってリアルタイムに「自粛の過ごし方」を伝えてきました。楽器の練習、筋トレ、ダイエット、漫画を読む...。いずれ再開する授業に備えた履修登録をじっくり考えたメンバーもいました。私自身も、楽しみにしていた同窓会が中止になり、特に仲の良いメンバーと、テレビ電話でおしゃべりしました。普段はLINEでしかやり取りしない友人と、「電話で話す機会が増えた」というメンバーもいます。直接会いづらい中で、不安や不満を「せめて直接話したい」という気持ちの表れかもしれません。地方出身で、1人暮らしをしている大学生はなおさらだと思います。

 

 大学の授業、サークルや部活、アルバイト、友達との他愛のないおしゃべり...。新型コロナウイルスは、私たちの何気ない日常が、いかに大切だったか、ということを教えてくました。「自粛」という非日常の日々が続く中、失くしていけないものは何なのか、これからも考え続けていきたいと思います。

(日本女子大学・中村樹嶺=じゅね


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(2020年4月 8日 12:58)
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