新型コロナウイルス感染拡大防止のため、政府が小中高の一斉休校を要請してから、1か月が過ぎました。終息の見通しはいまだ見えず、私たち大学生にもサークル活動の自粛や、始業の延期など、様々な影響が続いています。キャンパス・スコープでは、3月16~19日のリポートに続いて、いま、大学生の生活に起きていることを伝えていきます。
ボランティア「1年延期」と言われても...
「本当なら、新学期のガイダンスが始まるはずの日に、一日家に居なければならないなんて」。首都圏で不要不急の外出自粛が呼びかけられた3月28・29の週末、あるメンバーは困惑気味に話しました。オリエンテーションや健康診断もすべて中止。授業も「4月22日開始」とアナウンスされたきり、大学からは詳しい連絡はなし。また、「美術館や博物館を4か所訪れ、レポートを書く」などの、春休みの課題の扱いについても、説明が無いそうです。「休館が相次ぐ中、3月上旬に無理して周ったのに...。とにかく見通しがわからないのが一番困る」と話しています。
一斉休校が要請された後、ほとんどの大学では新学期の開始を4月下旬に延期することを発表しました。首都圏を中心に感染の拡大が止まらない中、ゴールデンウイーク明けに再延期する大学も出始めています。あるメンバーは「授業開始が遅れても、学費は変わらない。予定通り授業を消化できる見通しもないのに、1か月分無駄にしている気がする」と不安を漏らします。他のメンバーも「始業の情報は全くないのに、授業料納付の手続きは変わらず送られてきた」と憤ります。「様々な企業が影響を受け、払えなくなる家庭も出てくるかもしれない。とにかく情報が欲しい」と訴えています。
多くの学生がボランティアとして参加するはずだった東京オリンピック・パラリンピックも、1年の延期が発表されました。新3年生になった私自身も、東京都の都市ボランティアと、出身地である福島県のボランティアに「city cast」として参加する予定でしたが、当然ボランティアも1年「持ち越し」に。福島県でのボランティアは、最低でも3日以上の活動が必要です。すでに日程や活動場所を選択していましたが、それはあくまでも今年開催だった場合。4年生になる来年は、そもそも自分の就職活動がどうなっているかなど、不透明なことばかりですが、運営事務局からは延期を知らせる手紙が届いただけです。コロナウイルスは企業の経済活動にも大きなダメージを与えており、私たちの就職活動にも大きな影響があることは間違いありません。先が見えない中、私たち大学生も、自分から積極的に情報を入手するよう努め、自分で「不安」を打ち消す努力が求められているのかもしれません。
(明治学院大学・丹伊田杏花)
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