コロナウイルスが大学生活直撃【新型コロナ 学生リポート】(1)

シフト変更を伝えるアルバイト先からの連絡。収入減が大学生活を直撃している

 全世界的な新型コロナウイルスの流行は、社会・経済に大きな混乱を与えています。私たち大学生にも、サークル活動の自粛や卒業式・入学式の中止、そしてアルバイト収入の減少など、たくさんの影響がありました。キャンパススコープでは、3月上旬から、メンバーを中心に多くの大学生の声を集めました。いま、私たちの生活に何が起きているのかをリポートします。

(上智大学・安藤麻子)


 

 大学生が受けた最大の影響は、アルバイト収入の減少でした。春休み期間である3月は、アルバイトの「書き入れ時」でもあります。学費や生活費はもちろん、友人との旅行や留学の費用をためる期間として予定していた人が多かったようです。影響は、試験が終わった2月下旬から少しずつ出始めました。商業施設や飲食店の多くは、営業時間を縮めたり、休業したりしています。野球場の飲食スペースでアルバイトをしているメンバーは、「シーズン開幕が4月中旬に延期になったことで収入がほぼ途絶えた。代わりのアルバイトを急いで探している」といいます。ある病院の近くの居酒屋でアルバイトをしているメンバーは「お医者さんも忙しいようでほとんど姿を見ない。ただでさえ来客が減っているのに、経営は厳しいようだ」と話しています。

 

 接客も様変わりしました。全体的に土日の人出も減っているため、「シフトが減らされた」という声がほとんど。シフトに入れても、出勤前の体温測定や業務中のマスク着用を義務付けているところが多いといいます。あるおもちゃ雑貨店で働くメンバーは、「子供の接客は笑顔が一番大事と考えているのに、マスクをつけての接客はお互い表情がわからず、苦労する」、パン屋で働いているメンバーは「一つ一つ袋詰めすることになり、手間がかかるようになったが仕方ない」などのジレンマがあるようです。

 

 小中学校の一斉休校も大きな問題です。集団指導の塾で講師のアルバイトをしているメンバーは、「塾も休校で、3月中のアルバイトはすべて中止になった」と話します。一方、個別指導の塾では、保護者からの「授業をしてほしい」という要望で午前中の授業が急に増え、「手洗い・うがいを徹底しながら注意している」というメンバーもいました。

保護者からの要望で急に授業が増えた個別指導塾も。手書きが新たに加わった授業

 まだまだ先が見通せないコロナウイルスの流行。入学式や始業式の延期のニュースも入り始め、「学業」についても不安が広がる中、多くの大学生は収入の減少というダメージを受けています。私たちは、これからもできる限り、大学生の「生の声」を伝えていきたいと思っています。


>>その2

 

(2020年3月16日 14:40)
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