第一生命保険はオリジナルの教材「ライフサイクルゲームⅢ」を活用し、お金にまつわる基礎知識を学ぶことができる授業を全国で行っている。千葉市立大椎中学校では10月6日、2年生がすごろく形式のゲームを楽しみながら、将来に備えることの大切さについて考えた。
生徒たちがゲームでたどるのは、就職から定年退職までの人生だ。サイコロを振ってマスを進むと、結婚や出産、住宅購入などのライフイベント、思わぬ病気や災害など、人生の様々な決断の場面が用意されている。選択に応じて手持ちの資金が増減することを疑似体験し、ゴール時にたまった金額を競った。
「え、こんなにかかるお金が違うんだ・・・」
生徒から驚きの声が漏れたのは「子どもの進学」にまつわる場面だった。私立と国公立で学費が異なることや、塾などにかかる習い事の費用について「初めて知った」と話す生徒も多かった。
ゲームは子どもから大人までが学べるように作られているため、架空請求などの被害や資産形成について考えるマスもある。「クーリングオフ」や「NISA」「投資信託」など難しい用語が登場する場面では、講師を務めた第一生命の森田恵奈さんら4人が各班を回り、丁寧に説明した。
ゲームを終え、最も資産を蓄えた生徒は1億2000万円。
一方で借金が膨らみ、「こんなはずでは・・・」と頭を抱えた生徒もいた。
授業は2時限分を使って行われ、ゲームを1時間ほど楽しんだ後は、若者に多い「消費者トラブル」への対策を学んだ。スマートフォンが普及し、中高生にも身近なSNSを悪用する詐欺が増えている。森田さんが強調したのは、被害を防ぐための心構えだ。
身に覚えのないサイトの利用料を請求された時、①無視する②「やっていない」と連絡する――のどちらが正しいか。森田さんが問いかけると、②を選んだ生徒が複数いた。
この場合は「無視する」が正解だ。
「安易に連絡をしてしまうと、電話番号などの個人情報が相手に知られてしまいます」と森田さん。被害を防ぐために「一人で抱え込まず周囲に相談すること」や、もうけ話などは「本当にそうかな?と疑う力を身につけること」が大切だと呼びかけた。
授業を終えた戎真緒さんは「ゲームを楽しみながら、法律やアプリの危険性を知ることができた。詐欺にあわないよう、『うまい話は疑う』ことを心がけていきたい」と話していた。
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