ビブリオバトル佐賀県大会...高校は堤田壮士郎さん、中学は福田歌奏さんV

山口知事(後方中央)らと記念撮影に収まる福田歌奏さん(手前左)と堤田壮士郎さん(手前右)

 中高校生がお薦めの本を紹介しあう書評合戦「ビブリオバトル」の佐賀県大会決勝戦が11月9日、佐賀市のアバンセで行われた。中学生部門では佐賀市の福田歌奏(かなで)さん(13)(鍋島中1年)、高校生部門では唐津市の堤田壮士郎さん(17)(唐津工業高3年)が優勝した。

 

中学のチャンプ本は「スワイプ厳禁 変死した大学生のスマホ」

 決勝戦には、中学生18人、高校生26人が参加した予選会を経て、9日の準決勝を勝ち抜いた中学生、高校生各4人が出場した。5分の持ち時間をフルに使い、身ぶり手ぶりを用いて、自身が読んで引き込まれていった点や作品の構成、魅力などを懸命に伝えていた。

 

 福田さんは、知念実希人さんの小説「スワイプ厳禁 変死した大学生のスマホ」(双葉社)を紹介。本の装丁がスマートフォンの形をしており、開いたら右ページが主人公のスマホ画面になっている本の構成を説明し、「まるでその場にいるような不思議な本」などと読み進める魅力を語った。

 

高校のチャンプ本は「むらさきのスカートの女」

 堤田さんは、今村夏子さんの芥川賞受賞作「むらさきのスカートの女」(朝日新聞出版)を取り上げた。「新感覚の小説です。どう感じるかはあなた次第」なとど促した。

 

 堤田さんは来年2月8日、東京・港区の「TAKANAWA GATEWAY CITY」で行われる「第12回全国高校ビブリオバトル」(活字文化推進会議主催、読売新聞社主管、JR東日本特別協力)に、福田さんも来春開催される「第9回全国中学ビブリオバトル」にそれぞれ県代表として出場する。

 

 福田さんは「優勝を目指したいが、会場の人たちにまず紹介する本の面白さをしっかり伝えられれば」と話した。堤田さんは「これから原稿を推敲(すいこう)して、自分の好きな本の面白さを説明できるよう頑張りたい」と意気込みを語った。

 

「さが本恋フェス」の中心行事、知事や直木賞作家のトークも

 ビブリオバトル佐賀県大会は、県主催のイベント「さが本恋フェス」の中心行事として催された。フェスでは山口知事、直木賞作家の今村翔吾さん、小説紹介のインフルエンサー・けんごさんのトークイベント「本に恋をするということ」も開催。3人は、若い頃に影響を受けた本について、それぞれに思い出を語るなどした。

(2025年11月13日 10:10)
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