読売新聞教育ネットワークの関西初の出前授業が1月14日、大阪府高石市の羽衣学園高校(馬場英明校長)の1年生5クラスで行われた。
関西電力は大阪南支店の竹村耕一、嶋田良子さんが4クラスを対象に「電力会社の仕事とは」をテーマに計4クラスで授業を行った。
二人は冒頭、自分たちの高校1年時代の写真をスクリーンに映し出して自己紹介した後、それぞれ営業、法務(竹村さん)、秘書、広報(嶋田さん)など入社以来担当してきた仕事を紹介。「営業は大変だったが、お客様から感謝のはがきをもらったときは感激した」「送電線にかかりそうになった樹木伐採の仮処分が出たときには、電力の安全安定供給という使命を果たせた達成感があった」(竹村さん)、「自分の担当した広報で、『原発停止の冬を考える』という新聞の記事になって、仕事の影響力の大きさを感じると同時にお客様との信頼関係の構築が重要だと思った」と自身の感想を交えながら説明した。
授業後半では、「電力会社の事業」について水力発電、火力発電、原子力発電、太陽光発電など様々な発電方法について、水力発電は燃料はいらないが、水の量で発電が左右されること、火力発電は急な電力需要の変化に対応できるが、二酸化炭素が出て、燃料も輸入に頼らなければならないこと、また原子力発電では燃料のリサイクルが可能で二酸化炭素は出さないが、安全な管理をしなければならない、などそれぞれの長所、短所を挙げた上で、「大切なことはいろいろな発電のバランスだ」と強調した。
授業の中では「電気が発電所から家庭に届くまで、どれくらいの時間がかかるか」「関西電力の送電線の総距離は」などクイズも交えて進められ、約15万㌔、地球を4周する距離に匹敵する、と正解が発表されると、「地球の4周分も」と生徒からは驚きの声が漏れた。
竹村さんは自分たちが働く原動力として、①安全安定供給という使命の一翼を担っている、という自負心 ②役割を果たせたときの喜び、人からの信頼を勝ち得て感謝されたときの達成感 ③チームと苦楽を共にする一体感――を挙げた。
最後に竹村さんは、20年前の阪神大震災で260万戸が停電したが6日後には応急送電できるようになった、という先輩社員たちのがんばりに触れて、「この教訓を忘れないようにしたい」と語りかけて授業を締めくくった。
授業を受けた桑原廉史君は「日本は狭いのに、太陽光発電には広い面積が必要と知った。電気の無駄遣いはしないようにしようと思った」と納得した様子だった。