高校生の英語ディベート大会 渋谷幕張が優勝

◆4年ぶりに対面開催 

 

 高校生3人のチームが英語による即興の討論を繰り広げる「第12回日本高校生パーラメンタリーディベート連盟杯全国大会」(メディアパートナー・読売新聞社)が、東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで行われました。

 

 大会は3月下旬、4年ぶりとなる対面で開催され、21都府県111校が参加した地方大会を勝ち抜いた47校が出場しました。決勝では、渋谷教育学園幕張高校(千葉)が、筑波大学付属駒場高校(東京)を破り、優勝しました。

 

 決勝のテーマは、「人類の現在の状況は100年後より良いか」。

 筑波大付属駒場高は肯定側、渋谷教育学園幕張高は否定側の立場で討論に臨みました。両チームは、直前に示されたテーマについて約20分間準備した後、交互にスピーチを行いました。

 

 肯定側の筑波大付属駒場高は、今後100年間で環境が悪化し、食料不足が引き起こされると主張。一方、否定側

の渋谷教育学園幕張高は、技術革新などで、環境保護と経済活動の利害が一致する可能性があると反論しました。

 

 否定側の訴えが審査員の支持を得て、渋谷教育学園幕張高が勝利しました。

 

 優勝した同高の鳴神諒(なるかみりょう)さんは、「これまで出た大会では、なかなかうまくいかず、泣きながらやってきた。優勝できて、ほっとした」と喜びました。

 

一般社団法人日本高校生パーラメンタリーディベート連盟 北原隆志理事長の総括

 ほとんどの高校生がオンラインの経験しかなく、第一試合は全体的にアインコンタクトが不十分で声も小さかったです。それが対面試合を重ねるにつれて、どの選手も聴衆の印象に残る話し方を意識するようになったのが良かったです。

 

決勝戦の動画(約1時間)

 

■即興型英語ディベートとは Parliamentary Debate

 イギリス議会の答弁トレーニングとして始まった競技ディベート。ある議題に対して肯定側と否定側のチームに分かれ、定められた時間内で、それぞれの主張を述べます。相手側の意見に対して反論もしながら、自分たちの主張を明確にしていきます。審査員は論理性や信頼性などを比較し、判定します。

【高校生連盟杯の流れ】

 試合の約20分前に論題が発表される。各3人のチームには政府(肯定)と野党(否定)の役割が与えられ、限られた時間と知識で立論することが求められる。1人4分〜7分でそれぞれの主張を述べた後、質問や反論をしながらスピーチを繰り返し、どちらがジャッジを説得できるかを競う。

1)論題発表

 政府、野党の立場決定 20分でスピーチ準備(決勝は25分)

2)ディベート

 賛否の根拠、議論裏づける具体例を示しながら主張と反論(各5分、決勝は7分)

3)総括スピーチ

 改めて自説の優位性をアピール(各4分)

4)審査

 ロジックとエビデンスはあったか?優れたスピーチをジャッジ

(2023年5月 8日 15:32)
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