ビブリオバトル福島県大会...高校は佐々木優花さんV、中学は山口紗弥さん連覇

紹介した本を手に優勝を喜ぶ佐々木さん(左)と山口さん(福島市で)

 中高生がお薦めの本の魅力を伝える書評合戦「第11回ビブリオバトル福島県大会」(福島県教育委員会主催、読売新聞社、活字文化推進会議後援)が10月12日、福島市の県立図書館で開かれた。高校生の部は会津若松市の県立葵高1年の佐々木優花さん(16)が優勝し、中学生の部は西会津町立西会津中3年の山口紗弥さん(14)が2連覇を果たした。

 

高校のチャンプ本は長編小説「きのうのオレンジ」 

 県内7地区で計73人が参加した予選を突破した、中学生と高校生の各7人が参加。1人につき本の紹介5分、質疑応答3分の計8分の持ち時間で競い合った。

 

 佐々木さんは「きのうのオレンジ」(藤岡陽子著、集英社)を紹介した。がんの診断を受けても懸命に前を向く主人公の男性と彼を支える家族を通して「生きる」ことと真剣に向き合う長編小説。「日常の大切さやあすを生きる希望を主人公から受け取ってほしい」と語った。

 

中学のチャンプ本は短編集「まず良識をみじん切りにします」 

 山口さんは全5編の短編集「まず良識をみじん切りにします」(浅倉秋成著、光文社)を取り上げた。中でものめり込んで読んだという小説「行列のできるクロワッサン」を中心に、世の中の行き過ぎた集団心理や良識を疑うことの大切さを伝えた。「みんながやるからやろうと思うことが多かったが、自分の考えを大切にすることを伝えたい」と話した。

 

 高校生の部で優勝した佐々木さんは来年2月8日に東京都港区の「TAKANAWA GATEWAY CITY」で開かれる「第12回全国高校ビブリオバトル」(活字文化推進会議主催、読売新聞社主管、JR東日本特別協力)に出場する。中学生の部で優勝した山口さんは、来春開かれる「第9回全国中学ビブリオバトル」に出場する。

(2025年10月15日 17:15)
TOP