笠間直実さん「自分では100点」山田煌真さん「また全国に出たい」...全国中学ビブリオバトル優秀賞
滋賀県大津市の龍谷大学瀬田キャンパスで24日に開かれた「第7回全国中学ビブリオバトル」(活字文化推進会議主催、読売新聞社主管、龍谷大学特別協力)で、京都大会代表の京都市立高野中1年、笠間直実さんが優秀賞に輝いた。
「鴨川ホルモー」紹介、冒頭で絶叫...笠間さん
「鴨川ホルモー」を語る笠間さん
取り上げたのは青春小説「鴨川ホルモー」(万城目学著、KADOKAWA)。5分間の持ち時間の冒頭で、「ホルモ――ッ」と絶叫して観客を引きつけ、ホルモーという謎の競技やストーリー展開の魅力をテンポ良く紹介した。
好きなキャラクターは主人公の友人といい、「面白くてまっすぐ。窮地に陥った主人公を見捨てない。こういうのが親友なんだと感動を覚えた」と熱く語った。
会場からの質問タイムで、叫んだ意図を問われると、競技の行為であることを明かしたうえで「全部を説明することはできないので、ぜひ読んでみてください」とまとめた。
ビブリオバトル歴は半年だという。2月の京都大会で優勝、当日は全国から集った45人と競い、決勝に勝ち上がった。450人を超える観客を前に「できることを全部やりきった。自分では100点です」と笑顔を見せた。
「俺ではない炎上」印象的な言葉で締める...山田さん
「俺ではない炎上」を語る山田さん
優秀賞となった秋田県立秋田南高校中等部2年の山田煌真(こうしん)さんは「チャンプ本にはなれなかったけれど、力は100%出し切れた」と満足そうに話した。
お気に入りの本を5分間で紹介し合い、観客が最も読みたくなった本を投票で決める書評合戦。山田さんは、SNS上で女子大生殺しの犯人にされてしまった会社員の逃亡劇を描いた小説「俺ではない炎上」(浅倉秋成著、双葉社)を取り上げた。会社や友人、家族をはじめ、全ての人から疑われ逃げ続けた先に、「読者の予想を超える衝撃のクライマックス」があると訴えた。
450人を超える観客に対し、「あなたはこの本を必ず二度読むことになる」と印象的な言葉を投げかけて発表を終えた山田さん。山田さんは「楽しかったので、また全国大会に出たい」と振り返った。
大会には、秋田、大阪、長崎など14府県のほか、東京と京都の広域大会の優勝者、全国各地の学校代表など計46人が出場した。
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