高校生が見た被災地のいま(1)復興ボランティアを体験 仙台市

 教育ネットワーク参加企業、三菱商事株式会社の特別協賛を得て読売新聞社が主催する「海外プロジェクト探検隊」。全国から選抜された高校生を海外に派遣し、プロジェクト現場視察、現地の人たちとの交流などのツアーを通じて、見たこと、考えたことを読売新聞紙上などで発信する企画だ。

 2015年夏、12回目を数えた探検隊は初めて国内ツアーを実施した。テーマは震災と復興。訪問地は2011年3月の東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城、岩手両県。被災地の復興状況はどうなのか、震災から学ぶべき教訓は――。津波被害の爪痕がまだ生々しく残る沿海部を中心に、6人の探検隊メンバーがバスで巡った3日間のツアーの模様をリポートする。

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仙台秋保醸造所のブドウ農園で除草ボランティアにチャレンジ

復興ボランティアを体験 仙台市

2015年7月31日

 

 震災と復興、地方創生を考える海外プロジェクト探検隊の国内ツアーが始まった。参加メンバーは、東京、横浜、宮城の高校に通う6人。全員が2年生だ。

 初日のスケジュールは、まず「東北復興」の息吹を体感すべく、復興事業に乗り出している仙台市のワイナリー「秋保醸造所」のブドウ畑で除草ボランティアに挑戦。そして、津波による被害が甚大だった宮城県の沿岸部、名取市の閖上(ゆりあげ)地区と仙台市の荒浜地区を取材する。

 

 この日、まず訪れたのは、仙台市のワイナリー「仙台秋保醸造所」。復興事業の一環として、2014年3月、毛利親房代表が設立した。東日本大震災の復興支援活動のために三菱商事が設立した「三菱商事復興支援財団」などが資金を投じている。

 ワインの原料とするブドウ農園にはすでに3700本の木が植えられている。2016年にはさらに3800本を新たに植樹し、2019年には本格出荷にこぎ着ける目標だ。ワイナリーで直売するほか、仙台市近辺の温泉旅館、飲食店に売り込む予定で、毛利代表は「カキ生産者と組んだり、食肉加工業者と組んでセットで売り込んだりして、宮城の食を応援したい。震災でみんないいことなかったけど、ワクワクしています」と笑顔を見せる。

 

 探検隊メンバーは、復興ボランティアとして休日を利用して来ていた三菱商事の社員に混じり、作業着に着替えてブドウ農園の除草作業の手伝いをした。草に泥にまみれ、2時間ほど汗を流した。

 次の目的地へとバスに乗り込むメンバーに毛利代表は「みなさんが成人する4年後にはいいワインが出来るから、今度は飲みに来てね」と声をかけてくれた。どんな味なのか、今からちょっぴり楽しみだ。


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第12回海外プロジェクト探検隊参加者

渡辺啓介君(都立日比谷高校2年)

田辺雄斗君(桐蔭学園中等教育学校5年)

太田直希君(宮城県仙台第二高校2年)

酒井恵理香さん(渋谷教育学園渋谷高校2年)

佐藤千夏さん(宮城県気仙沼高校2年)

川内彩可さん(都立戸山高校2年)

(2016年2月 3日 10:00)
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