「新聞記者になろう」~読売新聞×杉並区立高井戸第三小

ゲストにインタビューする子どもたち

 読売新聞記者と大学生がペアで行う出前授業「ことばの授業」が5月21日、東京都杉並区立高井戸第三小学校の3年生2クラスで行われ、児童約60人が保護者らの仕事を尋ねるインタビューに挑戦した。

 

 「ことばの授業」は、読売新聞と、千葉大教育学部の藤川大祐教授が理事長を務めるNPO法人「企業教育研究会」が共同で開発した2時間のプログラムで、「見出しをつけよう」「記事を書こう」「インタビューをしよう」の3種類がある。いずれも教員志望の学生が進行を務め、記者がお手本を示した後に、児童・生徒が実際に挑戦する。記者が直接指導し、子どもたちが体験することにより、話す力や聞く力、書く力を伸ばすことを目標にしている。

 

 同小で行われた「インタビュー」の授業では、「新聞記者になろう」というテーマで、児童たちが見習い記者に変身。取材から新聞が印刷されるまでの過程をまとめた映像を見ながら、メモの取り方のコツを学習した。子どもたちは、記者が使っているのと同じ大きさのメモ帳を片手で持ち、映像を見ながら、「説明が早い」などと口にし、真剣な表情で数字などを書いていた。

 

 その後、記者が担任の高貝由衣先生を相手に、仕事についてインタビューのお手本を示した。先生が「初めてクラスの子どもたちを見たとき、ものすごく元気な子たちだと思った」と答えると、クラスからは笑い声が起こった。この実演を通して、人から話を聞く際、どのような態度で臨めばうまく話を引き出せるかを説明した。

 

 授業の後半では、いよいよ見習い記者たちが、ゲストを迎えて、仕事についてインタビューを行った。ゲストは、一級建築士や税理士、保育所の調理師、本の編集者ら7人。子どもたちは質問が思いつかず、黙っている時間もあったが、「いつも持ち歩いているものはなんですか」「仕事で大変なことは何ですか」「どうすればその仕事ができますか」など、頑張って質問していた。

 最後に、インタビューの内容を模造紙にまとめ、グループの代表者が前に出て発表していった。

 

 高貝先生は「いつもの授業より集中し、楽しんでやっていた。話すことや質問することに苦手意識を持つ子が多かったが、全員が必ず2分間質問しないといけなかったこともあり、苦手な子も話を聞くコツが分かったようだ。社会科見学に向けて役に立つ授業だった」と話していた。

 


 

<読売新聞「ことばの授業」について詳しくはこちら>

読売新聞 コミュニケーション能力を高める「ことばの授業」>>

(2015年6月 3日 09:28)
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