参院選で選挙権年齢が18歳以上に引き下げられるのを受け、講演「18歳。最初の一票」が16日、県立川越女子高で行われた。読売新聞教育ネットワーク事務局の鈴木美潮専門委員が3年生約370人を前に、主権者として投票する重要性を解説した。
元政治部記者で、特撮ファンでもある鈴木専門委員は、「政治とはみんなが大損をしないように調整する手段」と定義し、ウルトラマンに登場するバルタン星人を例に説明した。
核実験で故郷の星を失ったバルタン星人は地球への移住を図るが、20億人あまりの同胞とともにウルトラマンに滅ぼされる設定。「政治家が他の星への移住を勧めたり、移住先の星の開発援助を申し出たりしたら、バルタン星人は満足できたかも」と話すと、生徒たちから笑いが起こった。
参院選では、社会福祉をめぐって高齢者と若者の間で、年金や育児休暇など政策の優先順位が違うことに触れ、プロジェクターを使って新聞各紙の論調を比較。「自分の視点を大切にして、皆さんの一票で政治家を育てるつもりで、政治を継続的に見てほしい」と呼びかけた。
生徒から「若い人が投票しても、高齢者に比べて数が少ないので政治は変わらないのでは」と質問され、鈴木専門委員は「今の政治には若者の声が届いていない。若者が投票することで、高齢者世代が若い世代のために何をすべきかを考える可能性もある」と答えた。
生徒の一人は「参院選ではまだ投票できないが、選挙権を得たらしっかり投票して、周りにも投票を呼びかけたい」と話した。