みんなで新聞を回し読み、気に入った記事を選んで壁新聞を作る「まわしよみ新聞」が10月21日、東京・江東区の読売販売経営学院で行われた。首都圏や東北、北陸、中部などの読売新聞販売店の所長16人が研修の一環で参加した。
読売新聞の鹿野川喜代美・NIE企画デザイナーが学校での新聞活用の現状や具体例、新聞を使ったワークショップの意義などを説明した後、「まわしよみ新聞」に取り掛かった。
4人1グループになり、15分でそれぞれが3つのお気に入り記事を切り抜き、順番に記事の内容と、選んだ理由を説明。TPPの記事を選んだグループからは、「自動車関連の工場が多い地域なので、景気が少しでも良くなるとうれしい」などの声が挙がっていた。
続いて新聞にまとめる。グループ内で、画用紙に貼る"トップ記事"3本を選び、それぞれにコメントをつける。選んだ記事全体に共通する見出しをつけたり、突っ込みコメントを相談したりするうちに、話がどんどん盛り上がっていった。
最後は発表。TPPや野球関連の記事を取り上げたグループが多く見られたが、中には「身近な危機」という見出しをつけて、韓国のSNSが捜査目的で国に記録を提供したという記事や、お笑いタレントの波田陽区さんが振り込め詐欺撲滅などを呼びかけた記事をまとめたグループもあった。
指導した鹿野川デザイナーは「まわしよみ新聞には、『読む・書く・話す・聞く』というすべての言語活動が盛り込まれている。協調性も必要でいろいろな狙いに応じて取り組める内容。実践を皆さんが地元に持ち帰り、各地で芽が出て大きく育ってくれるといい」と話した。
参加した所長からは「コミュニティ作りのきっかけ、地域貢献活動として、積極的に取り組みたい」「地域の幼稚園などで活動してもらい、子どもたちが作った新聞を折り込んだら喜ばれるのでは」など、意欲的な感想が出ていた。