沼田 晶弘
第53回 ぬまっちに聞け!(3)
ぬまっち先生への質問コーナーの3回目です。
Q ぬまっちみたいな家庭教師を探したい
――茨城県の桜井睦子さんからの質問です。中学2年生の息子さんにご自分で勉強を教えているそうですが、集中力があまり続かないとのこと。自分の力では限界があるので、塾か家庭教師をと思っているそうですが、「ただ勉強を教えてくれる先生」でなく、ぬまっち先生のような「子どもにやる気を起こさせる先生」の見つけ方を教えてほしいそうです。
ぬまっち ボクには先生の見つけ方はわからないなあ......。そういう時はネットで評判の先生を探してみたらどうでしょうか。
――ネット情報ですか。信用できますか。
ぬまっち いちいち塾を見て回って、足で探したらすごい労力でしょう。もちろんネットの評判を100%うのみにしてはいけないけれど、まったく否定したり無視したりするのも間違いだと思います。そのために、ネット情報を批判的、分析的に読解する力を自分で養うことが必要です。
♦教育と介護はプロに任せてみるのも手
ぬまっち ボクは、子どもの教育を家族でサポートするという選択も、プロに任せるという選択も、両方ありだと思っています。ただ、介護と同じで、家族ですべてをやろうとすると、お互いかなりストレスフルになる可能性があります。
そもそも、親は自分の子どもに対する期待値が高くなりがちです。だって、子どもは親の大切な宝物ですからね。期待が高すぎて目が曇ることがあります。一方、子どもは親への甘えがどうしても出てしまう。お互いストレスを感じる時は、教育と介護はプロに任せてみるのも手。その方が、感謝の気持ちを相手に持てる人が多いでしょう。
――なるほど。介護も教育も、家族だけで全部やろうとしない方がいい。
ぬまっち 教師には決してできないことが親にはできます。これはボクが目の前で見たことですが、中学受験を控える6年生が、どうしても問題が解けない。しかしお母さんが隣にいて、その子の肩に手を置いて、「もう一度ゆっくり問題を読もうね」と言って読んだら、子どもが「答えがわかった!」と言ったんです。ボクはそれを「癒しの手」と呼んでいます。
――お母さんの手が子どもをリラックスさせたんですね。
♣親が子どもに与えられる力
ぬまっち 深夜まで勉強している時に、「もう遅いから寝な、体の方が大事だよ」と言ってくれるお母さんはうれしいでしょ。かえってやる気が出て勉強したくなる。「いつまでやってんの! 早く寝なさい!」は逆効果ですよ(笑)
プロの先生が教えてくれるのはテクニックです。そのテクニックを学んで身につけても、本番で発揮できないことがあります。逆転のチャンスでガチガチになっているバッターの背中を監督がそっと叩いて「思い切り3回振ってこい!」とニコニコ顔で言ったら、案外打っちゃうものでしょう。そういうハンドパワーの効果は思いのほか大きい。ボクもよく教室で使っています
――なるほど、最強のハンドパワーを持っているのが親。
ぬまっち 勉強を教えられなくても、がっくりする必要はありません。子どもにやる気を出させるすごい力は、すべての親が持っていることを知ってほしいですね。
★ぬまっちのファイナルアンサー
先生探しは、自分の目を信じて、ネットなどを活用してください。親の最大の役目は、勉強ができなくて苦しんでいる子どもに「大丈夫、できるよ」という癒しの手を与えてあげることです!
52<< | 記事一覧 | >>54 |