WS編集部より(17)ダブル弁当、隠し味は?

「読売ワークシート通信」のメールマガジンから、記者コラムの一部を紹介します。

 

ダブル弁当、隠し味は?


2021年4月14日

 

 子どもの入園や進学を機に、お弁当作りが始まったご家庭も多いと思います。我が家も、下の子が中学生になり、今年度から兄妹ダブル弁当生活に。これまでにも、小学校の行事が重なるなどして「二人同時にお弁当」という日はあったのですが、毎日、同じ時間に、それなりの量を...となると、想像以上に大変です。

 おまけに、最近のお弁当箱はデザインも機能も様々。それぞれが好みの弁当箱を買ってしまったため、形状が違いすぎて同じおかずがうまく入りません。兄は汁物の容器があり、妹はおかずのスペースが大きく...台所で右往左往する私に、子どもたちが「見ているこっちが焦っちゃう」と苦笑いするほどです。

 せめてほかの家庭のスキルを盗もうと、「みんなどんなお弁当持って来ているの?」と聞くのですが、食べるのに夢中な子どもたちは他人のことなど全く気にしてくれず、「量が少なかった」だの、「肉が毎日同じ味」だの注文の嵐です。同じタレで味付けをしているのだから、同じ味になって当然。母は「丼モノ」とか「麺」とか、そういうお弁当情報を知りたいのですが。

 住んでいる自治体は、私が子どもの頃から、中学校の完全給食実施を求めて保護者が署名を集めているものの、実現には至っていません。自治体側の回答は「中学生にもなると親子の会話は減ってくる。お弁当を介してコミュニケーションをとってほしい」とのことでした。

 当時は「何だ、その言い訳は!」と思っていましたが、「明日はコンビニでお昼買って」と頼むと、「何でもいいから作ってほしいな」と言う子どもに、ちょっとほっこり。行政の言い分も、「的外れではなかったのかな」と感じるようにもなりました。

 栄養バランスは完璧ではないかも知れませんが、何を食べても栄養になるお年頃と、そこはあきらめて、がんばりたいと思います。(悠)


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(2021年4月21日 10:50)
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