WS編集部より(7)オンライン授業の運用は

「読売ワークシート通信」のメールマガジンから、記者コラムの一部を紹介します。

 

オンライン授業の運用は


2020年10月28日

 

 大学の後期授業が始まりました。今年は都内の国立大と女子大で教壇に立っています。新型コロナウイルスの感染防止のため、前期に続き多くの大学でオンライン授業になっています。私が講師を担当している大学でも、語学や実習など一部で対面授業が復活したものの、一般科目はオンラインです。

 

 通信料が高くなるのを抑えるため、学生のカメラは原則オフになっており、画面の向こうの顔は見えません。学生の反応が全くわからないのは、結構不安なもので、興味を持ってくれているのか、理解しているかどうか、話しながらだんだん心細くなってきます。

 

 先日ご一緒した講師の方は、「いるのかいないのか、わからないわ。パンを食べていてもわからないし」と授業中、画面の向こうの「見えない学生」に揺さぶりをかけて、豪快に笑っていました。

 

 一方、「受け手」の学生も疎外感を感じているようで、「ずっと一人で孤独」「集中力が続かない」「対面より疲れる」と、オンライン授業疲れが見られます。ある大学のゼミで、「後期をオンライン授業にするか、対面にするか」ゼミ生に聞いたところ、12人中11人が対面を希望したそうです。

 

 一部で対面を再開している大学は、学生が学内でもオンライン授業を受けることが出来るように教室を限定して開放しているそうです。実際に学生が教室にいるのであれば、対面式授業をもっと増やしてもいいのではないかと思います。

 

 非常時に学びを止めないためにも、オンライン授業の活用は必須です。しかし、その運用はもっと柔軟でいいのではないでしょうか。オンラインにもかかわらず教室に集い、各自がバラバラに画面越しの授業を受けている学生の話を聞くにつけ、そんな思いが頭をよぎります。(千) 

 


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(2020年11月 4日 14:00)
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