「僕らも行ける宇宙旅行」 月刊ワークシート vol.14

5月8日読売新聞朝刊掲載「僕らも行ける宇宙旅行」の解説ページです。「新聞@スクール 月刊ワークシート」は毎月初旬に連載中!


【質問】(4)もし、無重力体験をするチャンスがあったら、あなたはどんな実験をしてみたいですか。


日本人女性初の宇宙飛行士の向井千秋さんが特任副学長を務める東京理科大学では、宇宙教育プログラムを行っています。最先端の宇宙科学技術などの本物の知識・本物の体験を重視するプログラムだそうです。

 

その中に、無重力体験もあるんですか?

 

「パラボリックフライト実験」(微小重力実験)というプログラムが設定されています。これは、航空機が放物線を描く飛行を行うことによって、機内に約20秒間の微小重力環境を作り、その中で実験をするものです。

 

この「宇宙教育プログラム」には、宇宙科学技術に興味のある大学生・高校生が応募できるようですよ。

 

東京理科大学のウェブサイトを見てみました。2019年度受講生募集の締切りは4月23日に終了。ああ、残念・・・・。

 

さっそく見たのですね。アットス君は「宇宙」に興味津々だものね。

 

宇宙教育プログラムが始まるという記事は、2015年8月23日の読売新聞朝刊にありました。キーワードは「本物体験で学ぶ」。いつか、参加したい。

 

ところで、このパラボリックフライト実験(微小重力実験)を一般の人たちを対象に実施している会社があります。この飛行は、名古屋空港で離着陸するそうですよ。そして、参加者は、各自が是非やってみたい実験の課題をもって搭乗します。

 

とても高額ですが、もし、アットス君が参加できるとしたら、どんな実験をしてみたいと思う?

 

ん・・・ただ今、考え中・・・。

 

この体験の参加者の皆さんは、

・ペットボトルの水を飲むことができるのか。

・砂時計はどうなるのか。

・雑巾はうまく絞れるのか。

・絡まりやすいヘッドホンは、無重力で絡まるのか。

・フィギュアスケートのスピンはどうなるのか。

・新婚のカップルの指輪の交換はうまくいくのか。

・社交ダンスはできるのか。

このような実験をしたそうですね。なんだかどれも面白いなあ。日常生活で当たり前にしていることを、いろいろ試してみたい。

 

無重力状態って、身体はとっても楽なのでしょうね。ふわふわ感?水中に浮く感じ?気持ちいい?実に、興味がありますね。

 

 


【質問】(5)宇宙旅行等の技術開発は、なぜ進んでいるのでしょうか。その理由を調べてみましょう。


 

2019年は、アポロ11号のニール・アームストロング船長が、人類で初めて月面に降り立ってから50年なんですね。

 

1969年7月20日、アームストロング船長は、月に降り立ったときに地球に向けて送ったメッセージ「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」は、有名な言葉です。

 

宇宙に向かって、世界では激しい宇宙開発の競争が続いていたんですよね。それが今は、国際協調の場に変わりつつあると聞きました。宇宙開発の転換ですね。そして、いよいよ「僕らも行ける宇宙旅行」なんだなあ・・・。

 

そして、2019年5月4日には、大きなニュースが飛び込んできましたよね。

 

「民間ロケット打ち上げ成功 ―国内初 宇宙に到達―」(5月5日読売新聞朝刊一面)のニュースですね。MOMO3号機、夢みたい。

 

その日の読売新聞社会面の記事の見出しは「民間の力 宇宙へ飛躍」「開発競争 国から企業間に」とあります。なぜ、外国でも日本でも、民間企業が宇宙開発に乗り出しているのでしょうね。

 

ロケット開発の打ち上げには多額の費用がかかりますが、MOMO3号機を打ち上げたインターステラテクノロジズという会社は、低価格で宇宙に到達できることを示したと、記事には書いてありました。

 

宇宙開発にはお金がかかる。しかし、少しでも低コストで宇宙に行く、それを実現したこの企業の力は大きいのではないかなあ。

 

月刊ワークシートの記者さんからのメッセージにもありますが、宇宙旅行の技術を確立する企業が増えれば、価格も安くなり、もっと宇宙が身近になるということですね。

 

今、MOMOのような小型ロケットの開発だけでなく、宇宙旅行用の有人宇宙船を開発する企業や、地球上空を漂う宇宙ゴミの除去衛星の開発を手がける企業が続々誕生しているそうです。

 

今回、宇宙に飛び出した人々の言葉にも注目してみました。

 

印象的だったのは、ユーリ・ガガーリンの「地球は青かった」毛利 衛「宇宙から国境線は見えなかった」これは、宇宙や地球に対する見方を変えた言葉です。宇宙への憧れが膨らむなあ。

 

JAXAでは、「文化・人文社会科学や教育への応用」という項目の中で、「私たちの心を大きく動かす宇宙の環境を、単に物質的な科学分野に利用するだけでなく、芸術表現などを通じて驚きや感動を発見することを目的とした取り組みを始めている」と言っています。

 

国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」を利用して、「地球人育成」「人類未来の開拓」「宇宙利用による新たな価値の創出」を目指しているそうですよ。

 

そういえば、2年ほど前、「ZOZO」の前澤社長が「スペースX」というアメリカ企業が契約をし、月に向かうロケットの初の月旅行客になることを発表しましたね。前澤社長は、画家や音楽家を招待する、と言いました。月をテーマとしたどんな芸術作品ができるのだろう・・・・。

 

人気歌手のサラ・ブライトマンさんが2018年に新作「HYMN~永遠の讃歌」を出したとき、彼女が話した言葉が印象的でした。ブライトマンさんは、2012年に、ロシアの宇宙船ソユーズで国際宇宙ステーションへ旅する計画を発表しました。この計画は中断を余儀なくされたのですが、ロシアで訓練を受けたことは自分を見つめ直す機会になったと言います。そのメッセージを紹介しましょう。

 

「何が起こるか分からないから、死について考えたし、宇宙について学ぶうちに、美しい地球は実はもろい存在だと分かった」

 

身近になってきつつある宇宙旅行は、ブライトマンさんのような、自分を見つめ直す機会にもなるのでしょうね。

 

【参考記事】

■東京理科大が宇宙プログラム(わかるサイエンス)(2015年8月23日 読売・朝刊)

■サイエンスView「エレベータ宇宙へGO」(2017年3月12日 読売・朝刊)

■ANA宇宙のゴミ拾い(2017年7月15日 読売・朝刊)

■宇宙産業 民間の成長カギ(2018年8月30日 読売・夕刊)

■初の月旅行客日本人!?(2018年9月27日 読売KODOMO新聞)

■宇宙開発米本腰(2018年9月30日 読売・朝刊)

■サラ・ブライトマンが新作(2018年11月29日 読売・夕刊)

■旅行用宇宙船有人飛行成功(2018年12月16日 読売・朝刊)

■民間ロケット 打ち上げ成功(2019年5月5日 読売・朝刊)

■民間の力 宇宙へ飛躍(2019年5月5日 読売・朝刊)

■《見る》小さな一歩 半世紀(2019年5月6日 読売・朝刊)

 

読売新聞の過去記事は、記事データベース(有料)で読むことができます。

※読売中高生新聞、読売KODOMO新聞は収録していません。

読売新聞の記事検索について>>詳しくはこちら


vol.13<< >>vol.15

 

(2019年5月 7日 17:00)
TOP