8月7日読売新聞朝刊掲載「減らそう 食品ロス」の解説ページです。「新聞@スクール 月刊ワークシート」は毎月初旬に連載中!
【質問】(4)「賞味期限」と「消費期限」の違いを調べてみましょう。
買い物から帰ったアットス君が、つぶやいています。
スナック菓子・カップ麺・チーズ・缶詰・ペットボトル飲料には「賞味期限」、サンドイッチ・おにぎり・お弁当・ケーキには「消費期限」ってあるけれど、何が違うのかな?
アットス君、「賞味期限」と表示のある食品と、「消費期限」と表示のある食品の違いを考えてみましょうか。
えっと......「賞味期限」の方は、いたみにくい食品で、「消費期限」の方は、いたみやすい食品かな。
そう、お店で買った食品には、安全でおいしく食べられる期間があって、「賞味期限」か「消費期限」の表示があるんです。
農林水産省のウェブサイト「子どもの食育」には、わかりやすく、「賞味期限」はおいしく食べることのできる期限、「消費期限」は期限を過ぎたら食べない方が良い、とあります。
どちらも、「袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合」という条件付きです。
この違いを知って、いつまで食べられるのか確認することが大事なんだ。それで食べ物を無駄にすることがなくなるんですね。
ところで、この間、スーパーで、陳列棚の後ろの方から食品を選んでいた人を見たよ。「期限」を確認して、新しいものを買おうとしたんだな。
なるほど。少しでも期限が長いものを選んでいたのですね。その心理はわからないでもないけれど。「もったいない」の精神でいうと、この行動もあらためる必要がありますね。
【質問】(5)余った食品があったら、あなたはどのように使いますか。
じゅんこ先生の得意料理はね、冷蔵庫の中にある余った野菜をたくさん入れて作った具沢山ス-プなんですね。お味噌汁も作りますよ。ある料理家が言うには「野菜は捨てるところがないですよ」
この間ご馳走になったけれど、栄養もあるし、簡単にできるし、おいしかったし。じゅん子先生、すごいよ。
ありがとう、料理と言えるかどうか、だけれど。だれでもできます。チャレンジしてごらん。
そういえば、食べ残しや廃棄による家庭での「食品ロス」を減らそうと、レシピブックを作った高校があるよ。
立川女子高クッキング部は、レシピブック「食べきりレシピCOOKING」を作って、駅で配布したんだって。
そのレシピ本を作った生徒の一人は、「レシピを考える過程で野菜の葉や皮が食材になることを学んだ」とも言っているんですね。
「もったいない」が学びにつながっている、これってすごいことだね。
東京の青梅市では「フードドライブ」という取り組みをしたそうですね。
この5月末から6月にかけて、実施したという記事がありました。
「フードドライブ」というのは、家庭で眠る食品を持ち寄って、それらをまとめて福祉団体に渡したり、子ども食堂にも使ったりする活動です。
安全管理のために、(1)未開封、(2)賞味期限が1か月以上ある、(3)びん詰ではない、(4)生鮮食料品以外などの条件を満たす食品とされているそうですよ。
「もったいない」の気持ちが、たくさんの人のためになっていくんですね。
「食品ロス」は家庭で一番多いということがわかりましたね。まずは、食べられる量の食品だけを買うということが大事。これは、一人一人ができること。
そうそう、買い物に行くときはお腹のすいていない時がいい、とも言いますよ。つい余分に買ってしまうからなんですって。これは節約にもなる。
わかるなあ。たくさん買ってきて、残っちゃうこと、あるよね。
【質問】(6)「食品ロス」をふせぐことで、どのような社会をつくることができますか。あなたの考えを書きましょう。
今回の記事のインタビユーのお話が、強烈に印象に残っています。
「食べ物を捨てることは、地球全体の食べ物の量を減らすことにつながる」
「先進国の人が必要以上に食べ物を買わないようにすると、世界全体の食べ物の値段も下がり、発展途上国の人も買いやすくなる」
このようなことは、今まで考えてもみなかったんです。
「食品ロス」の原因は、日本のような先進国と発展途上国では大きく違うというお話も、印象的でした。
世界の9人に1人は食べ物がなくて苦しんでいるという現実。「食品ロス」を自分の事として、真剣に考えていきたいですね。
「もったいない」の輪を広げたい。
【参考記事】
■恵方巻き残さず満○福(2019年2月2日 読売・夕刊)
■見切り商品情報 スマホに(2019年2月13日 読売・朝刊)
■食品ロス減 レシピ紹介(2019年3月21日 読売・朝刊多摩)
■食品ロス動くコンビニ(2019年5月18日 読売・朝刊)
■【スキャナー】コンビニ戦略 転機(2019年5月18日 読売・朝刊)
■コンビニ 食品値引き(2019年5月24日 読売中高生新聞)
■「食品ロス」削減法成立(2019年5月25日 読売・朝刊)
■ポテチ期限 最大3か月延長(2019年5月31日 読売・朝刊)
■食べ物残さない・捨てない(2019年6月1日 読売・朝刊)
■高校生 食品ロス削減提案(2019年6月9日 読売・朝刊茨城東)
■食品ロス減へ ローソン実験(2019年6月12日 読売・朝刊)
■家に眠る食品 子どもたちに(2019年6月17日 読売・朝刊多摩)
■食品ロス減へ値引き(2019年6月20日 読売・朝刊)
■セブン10%値引き実験(2019年6月27日 読売・朝刊)
■セブン仕入れルール緩和(2019年7月6日 読売・朝刊)
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