第14回 日本語大賞 文部科学大臣賞 受賞作品(全文)

 NPO法人日本語検定委員会による第14回「日本語大賞」(読売新聞社など協賛)の入選作のうち、小学生、中学生、高校生、一般各部の文部科学大臣賞受賞作品の全文を紹介します。今回のテーマは「私が大事にしている言葉」。家族の死や人生の様々な時に浮かんだ言葉の中で、自分が「大事にしている言葉」について書いた作品を募集しました。※敬称略

 

■小学生の部

「大好き」のま法をかけて

安田 彩乃(やすだ・あやの)

敬愛小学校 小学四年(山口県)

 私には大切なものがたくさんある。おたん生日に買ってもらったシロクマのぬいぐるみ。いつも遊んでくれる、おとなりのお姉ちゃん。食いしんぼうの父が買って来てくれる、新発売のおやつ。ケンカをした後の、兄との仲直り。私はいつもこれらの「大切」にふれるたび、心の中でじゅ文を唱える。それは、「大好きだよ。」の言葉だ。この言葉を使うと、私の気分はそれまでの何倍もうんと明るくなる。このま法のような言葉の力に、一番最初に気づかせてくれたのは、母だった。


 

■中学生の部

言葉を受け取って

本山 みい(もとやま・みい)

さいたま市立大谷場中学校 一年(埼玉県)

 私は小学校四年生くらいまで、介護が必要な認知症の祖母と暮らしていた。正直、もう小学校に進学しているのに「みい、幼稚園は楽しかったかい?」と何回も聞かれたり、だんだん介護が大変になり精神的にも肉体的にも追い詰められていく母を見たりしては、祖母のことが嫌いになっていった。兄と祖母の愚痴を言い合うことや、「おばあちゃん、もうちょっと頑張ってよ」と祖母に直接キツい言葉を投げかけたりすることもあった。その時の私たちは限界だったのだと思う。


 

■高校生の部

貴方の言葉は八年越しに、

和佐間 芽弥(わさま・めみ)

和洋国府台女子高等学校 二年(千葉県)

 「人生山あり 谷あり」なんて言ったもんだが今の所私の人生は「人生谷あり 壁あり まぁたまには福もある」なんてものである。まだ十六歳の若もんが何を言っているんだと、大人たちは思うだろう。まだ高校生の子どもが人生語るなんざ一〇〇年早いと思っているが今からお話する私の、和佐間芽弥の今までの人生十六年の中の思い出話の一つをちょっと聴いて行って欲しい。


 

■一般の部

感謝の気持ちを言葉に

豊 恵子(とよ・けいこ)

(石川県)

 五年前、私はガンになった。長期入院や抗ガン剤治療を経て、命はつながり今に至る。

 夫婦二人暮らし。夫はもともと優しい人だったが、退院後は私の体調を心配して、より優しく接してくれた。ガン再発の可能性を考え自分の命の心配もあったが、優しい夫との生活は幸せだった。


(2023年2月22日 03:00)
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