積水ハウスや第一生命など読売新聞教育ネットワーク参加企業5社による出前授業が4月20日、大阪府東大阪市の市立柏田中学校(新屋和昭校長、生徒数234人)で2年生を対象に一斉に行われた。
積水ハウスは総合住宅研究所技術研究室課長の杉村保人さんら5人が、実験を交えながら地球に優しい家作りについて授業を行った。
杉村さんは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素など温室効果ガスについて、工場や産業部門より家庭からの排出が増えていることをグラフで示し、「住まいや暮らし方に私たち自身が気をつける必要がある」と訴えた。
どんなことに気をつけるかを考えるヒントとして、ポットを使った実験を行った。生徒たちは、用意された新旧2種類のポットの中のお湯と、ポットの表面の温度を計測。同じ温度のお湯を入れたが、表面の温度差は古いポットの方が新しいポットより13℃も高かった。杉村さんは「表面の温度が高いのは、中の熱が放出されているためで、お湯が冷めやすいのは古いポットの方だということが分かります」と解説。「お湯が冷めると、もう一度温めなければならなくなるので、それをしなくても済む新しいポットの方がエコということになります」と、断熱性能の重要性を説明した。
さらに、話題を住宅にまで広げ、壁や窓などの素材がどのくらいの断熱性能があるのかを確かめる実験を展開。表面の一部を「ガラス」「アルミ」「鉄」「鉄・発泡スチロール」などに変えた発泡スチロールの箱にドライアイスを入れて、生徒たちが実験前と、3分後の表面温度を測り、6分後の温度を予想。生徒たちは、ガラスやアルミなどに手を近づけたり、それぞれの温度を見直したりしながら、予想を書いていった。6分後の温度を測って、「ガラス」の箱が-60℃になっていることが分かると、「へえ~すごい」などと驚きの声を上げていた。実験の結果、素材によって熱の伝わり方が違うことが分かった。
最後に、ガラスとアルミを組み合わせた従来の窓枠と、アルミの間にプラスチックを挟んだ「アルミプラスチックサンド」にガラスを重ねた「ペアガラス」の最新の窓枠を見せて、昔よりも今の住宅のほうが室温を保つための工夫が多くなされていることを説明。「断熱の考え方は住宅だけでなく、お風呂のふたなどいろいろなところで使われています。ちょっとした心がけでいろんなエコができます。みなさんもできることを考えてみましょう」と呼びかけた。
授業を受けた藤本瑠良(るい)さんは「実験に興味があったので受けました。自分が立てた予想は一つも当たらなかったけれど、面白かった」と楽しそうに話していた。
積水ハウスの教育プログラム
>>積水ハウス「地球温暖化と暮らし キャプテンアースの『いえコロジー』」