海外の日本人学校、補習授業校の生徒のみなさんの作文や詩などを紹介します。今回はドイツ・ミュンヘン日本人国際学校から。作品はいずれも第34回「海外子女文芸作品コンクール*」(公益財団法人海外子女教育振興財団主催、読売新聞東京本社など後援)の応募作品です。
【詩 東京海上日動火災保険賞】
ドイツの景色プレッツェル
小5 石崎 響一(いしざき きょういち)
【詩 佳作】
自転車と同じくらいうれしかったこと
小5 中山 花歩(なかやま かほ)
わたしが、「自転車より一番うれしかったこと」を書いたのは、言葉が伝わった時のうれしさを読んでくれた人たちに知ってもらいたかったからです。ドイツにきて初めてドイツ語を学んだ時、いやになった時もありました。でもしゃべれないままなのがくやしくなってきて一生けん命勉強しました。そして、初めてドイツ人とふれ合うことができて、「ああ、言葉が伝わるってこういうことだったんだ」と気づくことができました。
【短歌 優秀】 どう思う無意味な差別死の行進二度と消えない過去のあやまち
中3 末永 悠貴(すえなが ゆうき)
昨年の夏、僕たちは校外学習でダッハウ強制収容所へ行きました。それはドイツの負の歴史を学ぶ校外学習でした。囚人が歩かされた道を自分も歩き、たくさんの展示を見ながら、戦争の悲惨さ、人種差別の無意味さを感じました。そして、「二度と繰り返してはいけないんだ」と強く思いました。過去を消すことはできないけれど、過去を忘れないことで未来は変わる、そんな気持ちを短歌に込めました。
【俳句 優秀】 ふゆ休みせいざがいっぱい見えました
小2 利根 涼介(としね りょうすけ)
ミュンヘンはしぜんが多くて高いたてものがなかったので家からよく星が見えました。冬休みにお父さんと星ざをしらべていっしょにさがしました。たくさん星が見えていろいろな星ざを見つけることができました。さむい夜に星空を見たことを思い出しながらはいくを書きました。
【俳句 佳作】 ねたいけどあかるすぎちゃうなつじかん
小2 梶原 萌生(かじわら めい)
ドイツは、夏になると時計を1時間早くします。これが夏時間です。夏時間になると外が明るいので、まだ夕方だと思っているといつのまにか夜になっています。そしてお母さんに「もう、9時だよ。」と言われます。ねる時間になっても明るいのでへんなかんじです。わたしは、夜はくらい方がねむれます。
【俳句 佳作】 くるくるとはっぱおどらすあきのかぜ
小2 手嶋 千尋(てしま ちひろ)
外を見ると、秋の風がえだをゆするようにしてふいていました。たくさんの葉っぱが風にふかれてとんでいました。その一つ一つを見ると、くるくるまわりながらおちていました。葉っぱがおどっているいるみたいだなと思ったので、そのことを書きました。外は風が強くてさむそうだったけど、葉っぱのおどりが見れてうれしかったです。
ミュンヘン日本人国際学校(ドイツ)
ミュンヘンは、西洋海岸性気候から大陸気候への変わり目に位置し、天気が変わりやすく短い春秋、湿度が低くしのぎやすい夏、寒くて長い冬というのが四季の特徴です。
市の人口は約140万人で、ベルリン、ハンブルクに次ぐドイツ第三の都市です。市の東側にアルプスを源流とするイザール川が流れ、南方約100kmにはアルプスの山々があります。そして、そこには多くの美しい湖や森があり、ドイツ国民が最も住みたい街に選ぶほどきれいで安全な街です。
ミュンヘン日本人国際学校は、1994年、ドイツ国内5番目の日本人学校として開設し、今年で20年目を迎えました。設立当初は、市内のビルに間借りしていましたが、2003年に新校舎を建設移転しました。2014年4月現在、小学部128名、中学部40名、計168名の児童生徒が在籍しています。保護者の仕事の関係で毎月のように編入・退学がありますが、子どもたちは、海外にいる寂しさや不安等をまったく感じさせず生き生きと学校生活を送っています。
校舎は防火・安全面にも十分配慮した最新設備となっていて、外壁も周囲の環境に調和するように天然石を貼り付けたり敷地内に樹木を植えたりしています。さらに体育館・芝生の中庭も備え、恵まれた環境の中で子ども達は、休憩時間など思い思いの遊びに興じています。