MyScope 11.相手を知る大切さ

ベトナム・ダナンの町並みは日本と変わらなかった(昨年9月)


11.相手を知る大切さ


東洋大学2年 吉田一葵(かずき)

 

 私がアルバイトをしている飲食店のスタッフは、9割が外国人だ。アジア出身の留学生が多い。
 来店客は、外国人のスタッフが注文を聞き間違えると、日本人スタッフに苦情を言う。中には敬語の使い方や態度まで注意する人もいるが、言語も文化も違う外国人にそこまで言うのは酷ではないかと思う。
 私には、最近までベトナム人留学生の彼女がいた。互いの言葉は完全には伝わらないが、面白いと感じたり、悲しいと感じたりすることは共通で、日本人と接するときとあまり差はなかった。
 昨年は、ベトナムを旅行し、中部の都市・ダナンを訪ねた。私はベトナム戦争を描いた映画のイメージなどから、現地について、発展途上の風景を想像していた。だが、実際には、所々に高層の建物がある、日本と変わらない町並みだった。
 地元の大学生にも会ったが、皆、日本の学生より勉強熱心で、ある学生は「世界で活躍しベトナムを豊かにすることが夢だ」と語った。
 日本で暮らす外国人が増える中、彼らについては知らないことがたくさんある。生まれや文化の垣根を越えて、相手を理解し、尊重する気持ちを持つ大切さに私も気づいたばかりだ。
 アルバイト先で、私は外国人スタッフたちと積極的に交流するようにしている。休憩時間に、外国人が受験する日本語試験の勉強を手伝うこともある。
 人と人の間に国境はない。機会があったら、彼らを富士山が見える場所に連れて行き、初日の出を見せたい。



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(2020年2月25日 14:48)
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