MyScope 12.三年ぶりの舞台

復帰の舞台では、妹(写真右)と共演もした


12.三年ぶりの舞台


明海大学2年 森岡美月

 

 昨年の夏、私は3年ぶりにバレエの舞台に立った。
 約500人の観客を前に、「くるみ割り人形」の一場面など4つの演目を踊った。
 「やっぱり最高! ほんとに楽しそうに踊るよね!」「とても良かった。これからも頑張って」。終演後、友人たちやバレエ教室の先生に声をかけられた。
 バレエを始めたのは5歳のとき。多いときは週5日、教室に通い、小学校、中学校、高校時代も続けたが、次第にレッスンに通うのが嫌になっていった。
 バレエの技術向上、体調の維持管理などが難しくなり、思うように踊れなくなったからだ。
 大学受験をはさんだ1年半は、バレエ教室に全く通わなかった。だが大学に進学し、自分がやりたいことを考えたとき、真っ先に思いついたのは10年以上続けたバレエだった。
 バレエは人に感動を与える。舞台を終えた後、周囲にほめられると、苦労して練習をして良かったと思い、それが次に向かって頑張れる源になっていた。
 私は教室に復帰した。今さら、プロになれるわけでもないし、趣味にしかならないが、レッスンを受けるだけで楽しいと感じるようになっていた。できないことがあると嫌になっていた高校時代までとはバレエの見方が変わったと思う。
 昨夏の舞台では、先生の後押しもあり、以前と変わらない数の役をもらった。自分のできることは精一杯やれたと思う。何よりも達成感があった。
 私はバレエが大好きだ。多分それだけは変わらない。



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(2020年3月 2日 10:10)
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