MyScope 19.「~」に込めた気持ち


19.「~」に込めた気持ち


昭和女子大学2年 比佐野彩

 

 コーヒーやお茶を自動販売機で買うとき、温めた飲み物は「あたたか~い」、冷やした飲み物は「つめた~い」と「~」を使った表記がされていることが多い。「あたたかーい」「つめたーい」と「ー」の表記などもあるが、私は「~」にひかれる。
 堅苦しい文章では使わないだろうが、私は「ー」の代わりとして主にSNSで「~」を使う。「ー」よりもやわらかい印象が加わる気がするからだ。
 私のLINEやツイッターのメッセージは「~」だらけだ。例えば、友達と翌日の予定を決めるとき、「何する?」ではなく、「何する~?」と私は打つ。ふだんの会話に近いイメージを与えると思う。
 「~」がついたメッセージを受け取るときも同じ気持ちだ。姉に、録画し忘れたテレビ番組を「録画しといて~」と頼まれたことがあるが、もし、語尾が「ー」だったら、少しモヤッとしていたかもしれない。「~」を見てすんなり引き受けてしまった。
 ネットが普及し、直接会わなくても相手とつながることが容易になった。このような社会に私は生きていて、感情は相手に届いているのだろうか、と時々不安になる。
 文字の羅列だけで自分の言いたいことは、最大限、伝わっているのだろうか。「〇〇する~?」「〇〇かな~?」などとすることで、メッセージに自分の感情を乗せることができる気がする。
 これからの季節は、「あたたか~い」から「つめた~い」を欲する時期になるが、相手に気持ちを伝えるときは「あたたか〜い」を忘れずにいたい。



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(2020年4月 6日 14:55)
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