5.普段の自分
昭和女子大学2年 西浦菜々子
「スピーチでは、いつもの自分がすべて出てしまう。良いスピーチをしたいなら、普段の生活を見直すことが大切だ」
スピーチの方法を学ぶ大学の授業で、担当教授が教えてくれた。
人前で話すと緊張する私は、さっそく教授の言う通りにしてみた。物事を常に冷静に見るよう心がけ、何ごとも論理立てて話すことを意識したのだ。
まだはっきりした結果は出ていない。ただ、日常生活の見直しは、私の趣味にもいい影響を与えている。
「レ・ミゼラブル」や「ミス・サイゴン」といった劇中歌を歌うのが私は好きだ。思った通りの響きが出せたときのすがすがしさは、何ものにも代え難い。約1年前からボイストレーニングに通い、いつか人前で歌えたらいいなと考えている。
ところが、先生の前だと体が固まってうまく歌えない。
歌で納得のいく声が出せるかどうかは、先生のレッスンを受けるときだけでなく、日ごろからの地道な練習が重要だ。でも私は「やらなければ」と思いつつ、何か言い訳を見つけて練習をしない日があった。
それなのに、先生の前では、無理にうまく歌おうとして、失敗していたのだと思う。
そこで、スピーチに習い、歌でも普段の自分を変えることにした。地声と裏声の切り替えを繰り返す練習を、少しずつでも、なるべく毎日続けている。
日常の過ごし方の大切さを学んでいる最中だ。
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