MyScope 7.レジで磨いたコミュ力

イラスト・高見澤楓(東洋大学2年)


7.レジで磨いたコミュ力


昭和女子大学1年 堀木千広

 

 「おいしそうですね!」
 スーパーのレジで会計をするおばあさんに私は声をかけた。カゴにはたくさんのアイスクリームが入っていた。
 おばあさんは「孫がこのアイスが好きでね。楽しみにしているの。きょうは久しぶりに遊びに来るから買いに来たのよ」と言った。
 私は大学入学後、スーパーでレジ打ちのアルバイトを始めた。それまでアルバイトをした経験がなく、最初は不慣れな作業に戸惑い、何よりも買い物客とのコミュニケーションの取り方がわからず悩んだ。
 まだミスが多かったころ、私のレジに並んでいたおじいさんの目線を感じた。とっさに「早くご案内ができず、すみません」と謝ると、おじいさんは「最初は誰でもそうですよ。頑張れ」と優しい声をかけてくれた。
 親子連れが菓子を購入するときは、テープを貼って子どもに渡すことが多い。先日も男の子を連れた女性に「お子さんにお菓子を渡しますか?」と聞いた。男の子は「お母さんの(荷物を持つ)手伝いをするから」と言って断り、私はレジ袋に菓子を入れた。
 アルバイトを始めたころ、私を励ましてくれたおじいさんの言葉から、いつかは仕事に余裕を持ちたいと思った。慣れたころ、アイスクリームのおばあさんに自分から話しかけて、気持ちを共有できるようになった。親子の関係性などに気配りすることもできたと思う。
 アルバイトは、社会を見る視野を広げてくれる。見ず知らずの人とどう接すればいいのかも、わかってきたような気がする。



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(2020年1月31日 16:43)
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