三菱重工業「国際宇宙ステーションの話」東大阪市立柏田中

宇宙ステーションの説明をする三菱重工の児玉さん

 積水ハウスや第一生命など読売新聞教育ネットワーク参加企業5社による出前授業が4月20日、大阪府東大阪市の市立柏田中学校(新屋和昭校長、生徒数234人)で2年生を対象に一斉に行われた。

 

 三菱重工業は宇宙機器部で設計を担当している上席主任の児玉浩明さんが国際宇宙ステーションについて授業を行った。

 まず、現在運用されている国際宇宙ステーションについて、サッカーコートと同じくらいの広さで、6人の宇宙飛行士が乗っていると、全体図を示しながら説明。地球を90分で一周しており、「夜、空を見ると、星が動いているように見えるのが宇宙ステーションです」と興味をひきつけた。

 宇宙ステーションの重力は地上のわずか100万分の1で、外の温度は-270.42℃。宇宙ステーションでの生命維持技術の研究に携わっている児玉さんは、ステーション内の温度や酸素濃度などの環境を地球と変わらない状態に維持するため、全体が特殊な断熱材で包まれていることを紹介。アルミを重ねた20センチ四方の布のような断熱材のサンプルを手渡された生徒たちは、興味深そうに触って、厚みや感触を確かめていた。

 また、ステーション内の温度を保つために、放熱板を利用しているほか、水を電気分解して酸素を作りだしていることなどを、それぞれ温度を調整するパネルを並べた写真や装置の図などを見せながら、丁寧に説明。「例えば宇宙船で火星に行くとすると、4、5か月かかります。酸素などの補充が簡単にできないので、リサイクルできる自立型の生命維持技術の開発が重要になっています」と締めくくった。

 

 参加した北野楓さんは「理科が好きなので受けました。どういう人が宇宙ステーションを作っているのが分かった」、西本莉子さんは「宇宙ステーションの中では、人も物も無重力で浮くということが分かって、もっと宇宙について知ろうと思いました」と感想を話していた。

 


三菱重工業の教育プログラム

>>三菱重工業「出前理科授業」

(2015年5月 8日 14:02)
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