[13]着ているのは私服、制服?
「今日は私服ですね」「何かあるんですか」 朝校門で、子供たちに声を掛けられた。その日は、2年生の子供たちと芋掘りに出かけるので、汚れてもいいように、ジーパンとポロシャツを着て来た。 「私服か」いつもワイシャツ、スーツを着ているので、そう言われたらしい。しかし、私服が自分の服のことであるなら。ワイシャツもスーツも自前の私の服である。 気になったので、手元にあった辞書(岩波国語辞典)を引いてみると「(1)個人の服 (2)制服でなく私服を着ている警察官」とあった。一般に制服のように規定された服がある場合、それの対照として私服があるらしい。 最近、銀行や家電メーカー、保険会社などスーツ着用が原則であった企業が年間を通して服装を自由にしているという記事を目にする。こういう場合は、私服という呼び方がなくなることになるのだろうか。 教員の場合は、特に服装の原則はない。むしろ、一般企業の常識に合わせてスーツなどの着用をしていた。とすれば、教員も服装の自由化に取り組み、わざわざスーツで揃えることもなくていいのかもしれない。 ともあれ、元々原則となる服装があるわけないではないので、私服もないといえる。そこのところ子供たちにどう説明したら良いか。悩むところだ。 |
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田中孝宏 小学校長
1960年千葉県船橋市生まれ。83年4月、小学校教諭に。2011年から現職。「ブラタモリ」にならって「ぶらタナカ」を続けている。職場の仲間や友人を誘って東京近郊の歴史ある地域を歩く。「人々はなぜ、この場所に住むようになったのだろう」と考えると、興味は尽きない。