ぬまっち先生コラム71 さらにぬまっちに聞け!(2)

第4回クリティカルディスカッションの作戦タイムで子どもたちにアドバイス(2016年12月7日、世田谷小で)

沼田 晶弘


第71回 さらにぬまっちに聞け!(2)


 

Q 小学校の先生になりたい13歳。でも不安......

 

――埼玉県の中学生S・Mさんから。13歳は質問者の最年少記録です。担任の先生に憧れて小学校の先生を目指しているそうですが、運動が得意ではないし、誰かにうまく教えられる自信もなく、なれるかどうか不安だそうです。

 

♦ボクは「お手本を示さない先生」です

ぬまっち 担任の先生に憧れて先生になりたいなんて、うらやましいなぁ。ボクなんて今まで「ぬまっちみたいな先生になりたい」と言ってくれたのは、10年以上やってるのにたった一人しかいないよ!(笑)

 さて、運動に関して言うと、ボクは跳び箱授業(>>第64~65回「イルカたちの跳び箱」)の時、子どもの前で台上前転一度もやってません(笑)。昔はちょっとカッコつけてやっていた時期もありますが、今の3年生の前でやって見せたのは逆上がりくらいですよ。先生が運動選手である必要はまったくない。自分の代わりに、運動が得意な子どもにお手本をやってもらえばいいんですよ。そうしたらその子に活躍の場もできる。前回の質問でも言いましたが、先生は自分で何でもやる必要はなく、子どもが自らやるように導いていく方がいいんです。それでWIN―WINの関係が築ける。

 勉強も同じで、まぁ教員採用試験は合格する必要はあるけれど、勉強できる人=優秀な先生ではないですからね。もしそうなら、小学校の先生はみんな超一流の学業エリートだけになっちゃう。ボクの学生時代の成績がどうだったかは、コラムの>>第42回~46回で包み隠さず書いています。これを読んで勇気を出してください!(笑)

 

♣4色ボールペンを使ったノートのすすめ

――13歳で先生になりたいという子に、役に立つアドバイスをお願いします。

 

ぬまっち 人に勉強を教えるためには、「自分ができない原因はどこにあるか」を考えるクセを今からつけるといいんじゃないかな。今ボクが子どもに推奨しているのが「4色ボールペン」を使ったノート作りです。黒は先生が書いたり言ったりしたこと、赤は大事なところ、緑はボクの場合、言葉の意味調べに使います。ボクの授業ではどんな科目でも辞書を引きまくるから、そこで分かった意味を緑色で書きます。最後の青が一番大事なんですが、「その時に頭に浮かんだつぶやきを何でも書いて」とボクは言っています。

 

――Twitterですね(笑)

 

ぬまっち そう。疑問でも感心したことでも何でもいいし、「きのうゲームしすぎて眠い」でも「授業ツマラナイ」でもいいんです。感じたこと何でも。4色の中で青だけが「自分の中から出た言葉」なんですよ。例えば授業がつまらないと感じたら、それはなぜなんだろう? と後で考えてみる。先生の教え方のせいじゃなくて、自分がその前の授業をちゃんとわかってなかったからかな? などと、自己分析ができるんですね。

 

♥教えるのでなく、一緒に学んでみては

――それで「うまく教える力」がつきますか?

 

ぬまっち そこなんですけれど、13歳なのに「うまく教える自信がない」というのがすでにちょっと違うかも。ボクは41歳ですけど、うまく教えるなんてできません(笑)。というか、うまく教えようと思ってない。先生も子どもと一緒に学べばいいじゃないですか。中学でボクが周治の勉強を見ていた時も、教えるというより、ボク自身も一緒に勉強していたんですね。「先生は子どもに何かを教えるもの→だから教え方が上手でないとなれない」という思い込みをまず取り払ってほしいな。13歳で将来の夢があるのはすばらしいこと。ぜひ、その夢をかなえてください。ボクも待ってます!


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(2017年3月13日 10:00)
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