沼田 晶弘
■東京には自然が少ない?
愛知から来た中学生が「地方からの視点」を提供してくれたおかげで、「勝手に東京観光大使」はなかなか順調な滑り出しとなりました。
「東京のいいところって何?」とボクは問いかけます。
「人口の多さ」「住んでいて便利」「お店の数」「観光地や名所」「食べ物や名物」「水のきれいさ」「パワースポット」......子どもたちからいろいろな意見が出ます。
「中学生にも聞いてみようよ」と、ボクは再び、生徒たちに声をかけます。「東京でこんなことが知りたいってことある?」
「......どのくらい自然があるか」と、男の子。
なるほど。修学旅行で来た中学生たちにとっては、東京はビルだらけ、コンクリートだらけという印象でしょう。しかし後日、子どもたちが調べたデータを元にみんなでディスカッションしてみると、実は東京には意外と緑が多いことがわかったのです。公園数は47都道府県中1位。公園の総面積でも3位。東京都の面積は45位なので、面積比で言えば、東京は「公園だらけ」なのです。もっとも、もともと広大な自然がある県は、わざわざ整備して公園を作る必要がないってことかもしれませんが。
■小池百合子都知事にプレゼンするぞ!
この日は重要なポイントがありました。これから2学期にかけて、「勝手に東京観光大使」の進行スケジュールを決める必要があったのです。
「ステップⅠは『調べる』。ステップⅡは『まとめる』。ステップⅢは『発表する』。ここで記者会見するのもいいね!」とボク。「ステップⅣは『レベルアップ』。1回発表したものをさらに良くする。ステップⅤが最終目標で、内閣府に送るか、小池知事にプレゼンするか......。キミたちの出来が良ければ、テレビカメラも来るかもよー?」
子どもたちから「え~?」と悲鳴みたいな声が上がりますが、その顔は、みんな自信とやる気に満ち溢れています。
ボクは彼らにスケジュールを指示することはありません。ゴールラインから逆算して決めるのは子どもたちです。ステップⅠ「調べる」を夏休みいっぱいで行い、ステップⅡ「まとめる」のスタートが9月1日と決まったところで、お昼になりました。
■一緒に「恋ダンス」を踊る
ボクのクラスらしく、子どもたちは中学生一人ひとりを自分たちのグループに招いて一緒にお弁当を食べ、なかなか話が弾んでいます。面白かったのはその後。お弁当が終わって、ボクがRADIO FISHの「進化論」をかけると、いつものように「ダンシング掃除」が始まります。
「えっ、えっ?」
周囲でいきなり子どもたちが踊り始めるので、4人の中学生は教室に棒立ち。「何が起こってるの?」と、目をまん丸にしています。どうやら、「勝手に観光大使」は知っていても、「ダンシング掃除」までは知らなかったようですね。最近はすっかり有名になってしまったと思っていたので、ボクたちにとっても久々に新鮮なリアクション。子どもたちはノリノリになっていました。
その後、"お客さんサービス"でメドレーを流してみたら、やっとリラックスした中学生たちは「恋ダンス」を一緒に踊り始めて、教室は大盛り上がりでした!
ダンシング掃除の後、一緒に「恋ダンス」を踊る! |
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