田中センセイの徒然日誌[84]重い荷物

[84]重い荷物

 

 ランドセルメーカーの調査で、通学の際に学校で使う教科書やノートを5冊以上持つ小学生が3割を超えた、という記事(2025年7月23日読売新聞朝刊)を読んだ。学習用デジタル端末などを加えると、荷物は約4キロになる計算だ、という。

 

 この記事を読んで、私たち大人は、気が付かないところで子どもたちにストレスを与えているのだなあ、と改めて思った。たとえば大人が4キロの米袋を抱えて毎日出社しろ、と言われたら "抵抗" するだろう。それを子どもたちに平気で押し付けているのでは、それも6歳になったばかりの子どもにさえも、と感じた。

 

 ランドセルの軽量化を図る試みをしているという記事も読んだことがある。1冊1冊の教科書をもっと薄くするなどして、少しでも子どもたちのストレスを緩和する工夫もできるのではないか。

 

 そういえば、ある朝、「おはようございます」と元気に登校してきた子どもに、「おはよう。ランドセルどうしたの?」と声をかけたことがある。

 するとあわてたように、自分の背中を確認して笑いながら、「ははは。すみません。玄関に忘れました。取りに戻っていいですか」と。

 

 もしかしたら、今振り返ってみると、あの子は小さな「レジスタンス」をしていたのかもしれないなあ。 

 

 

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田中孝宏 読売新聞教育ネットワーク・アドバイザー

1960年千葉県船橋市生まれ。元小学校長。「ブラタモリ」にならって「ぶらタナカ」を続けている。職場の仲間や友人を誘って東京近郊の歴史ある地域を歩く。「人々はなぜ、この場所に住むようになったのだろう」と考えると、興味は尽きない。

 

(2025年11月 6日 16:20)
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