「アクティブ・ラーニング」をご存じですか。学習指導要領の改定でも注目を集めたこの方式は、簡単に言えば、先生が一方的に授業を進めて子どもたちが知識を得るという従来の方式ではなく、皆で意見を出し合って協力して課題を解決する学び方。そこで役立つのが、新聞という生の「教材」なんです。
仲間たちとコミュニケーションを取りながら、課題を解決していくことは社会に出てからも大切なことです。しかし、意見交換や討論は大人になっても苦手だという人は多いのではないでしょうか。意見交換や討論のきっかけとして、新聞記事はうってつけです。
親子で続けるのなら、子どもたちも関心を持ってもらえるような記事を選ぶといいですね。我が家では記事を選んで、「このニュースは何点かな?」と問いかけることから始めました。
例えば、駅伝で19年ぶりに優勝したチームを紹介する記事。これを読んだ息子は、「10点。だってうちの県が勝ったわけじゃないし」。これに娘は反論。「90点。だって優勝するのに長い時間がかかったんだよ」
新聞は時として、家族の会話をここまで「熱く」してくれるんです。
(2021年1月6日 読売新聞朝刊より)
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酒井勇介:教育支援会社「エデュピーチ」社長。早大卒業後、学研を経て、現在は家庭教育プロデューサー。学校、家庭で新聞の活用を訴える「新聞大使(アンバサダー)」を自任し、全国で講演活動を続けている。春の象徴である桜より一足早く咲く桃の花のように、多くの子どもたちの才能をいち早く開花させたいという思いから、主宰する会社の名前にも「ピーチ」をあしらっている。
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