WS編集部より(11)スポ少ママの週末

「読売ワークシート通信」のメールマガジンから、記者コラムの一部を紹介します。

 

スポ少ママの週末


2020年11月25日

 

 スポーツの秋。だからという訳ではないですが、最近はスポーツで週末が終わってしまいます。小学2年の長男がサッカー少年団に入っているのです。

 

 甲子園を毎年取材していた頃、炎天下でそろいのTシャツを着て見守るお母さん方の姿に「私にはできないかも」と思っていました。それが...。試合があれば駆けつけ、帰宅したら動画を見返して反省会。もう立派なスポ少ママです。

 この立場になって実感しました。スポ少は「子どもが好きでやっているのだから、親は関係ない」という意識では成り立たないのです。運営は昔も今も父母会が中心、コーチは父親のボランティア。サッカーを選んだのは「野球は負担が多くて大変」とママ友から聞いていたからでしたが、それでも練習の見守りや洗濯など「ママサポ」という名の当番が数週間に一度、回ってきます。

 

 1年時はわいわい楽しそうだったチームも、2年の秋になると雰囲気が変わってきました。同学年の団員は30人。実力差が開き、試合では中心で活躍する選手と、数分しか出場機会のない子がでてしまいます。自治体の選抜入りを目指す選手もいれば、運動不足解消が目的の子もいます。月謝が安くて誰でも入団できる、それがスポ少なのですが、今後の運営を巡って意見が割れました。

 チーム内を高度なステップに進む組と、基礎練習の組に分けるか否か。すでに隣の地区のスポ少はこの方式で「強豪」と評判です。実質的な1軍2軍と捉える保護者も多く、2年生でそこまでやるべきなのかと思えます。結局、組分けした練習を月に数回行うことで今は落ち着いていますが、この秋に3人がチームを辞めてしまいました。

 

 検索サイトで「スポ少」と入力すると、「トラブル」「保護者」「辞めたい」という言葉が並びます。一人ひとり成長の速さが違う子どもたちと、どう向き合っていくべきか。単なる勝ち負けではなく、集団の中で育みたいものは何か。「平等」な運営とは。おそらく学級運営とも重なるこの課題に、私も6年間向き合っていくことになりそうです。(勝)

 


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(2020年12月 4日 10:00)
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