[6]真面目にカリマジ
平成に代わる新しい元号が「令和(れいわ)」に決まった。令は命令の意味があるなどの誤解が広まっては困るということで、英訳はbeautiful harmony。 解体新書を書いた杉田玄白が、翻訳の種類を凡例の中に記している。翻訳・義訳・直訳だ。翻訳は、日本語にも同じ意味のある言葉。例えば、bone=骨となる。義訳は、日本語にはない言葉。例えば、freedom=自由のように、その意味を考えてつける言葉。さしずめ、beautiful harmony=令和は、この義訳にあたる。残りの直訳は、日本語には、それに相当するものがなく、カタカナ語として用いる言葉。 見渡すとその多いこと。中には、カンファレンスのように、「会議」と翻訳してもいいものもたくさん含まれている。 2020年度から実施される学習指導要領にもカリキュラムマネジメントという直訳がある。合科的指導計画といった意味合いになるのであろう。実行するとなると、なかなか難しいことだ。最近、この言葉をカリマジと略しているのを目にする。 仮真面にならぬようしっかり取り組みたい。 |
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田中孝宏 小学校長
1960年千葉県船橋市生まれ。83年4月、小学校教諭に。2011年から現職。「ブラタモリ」にならって「ぶらタナカ」を続けている。職場の仲間や友人を誘って東京近郊の歴史ある地域を歩く。「人々はなぜ、この場所に住むようになったのだろう」と考えると、興味は尽きない。